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 日々、お客様をご案内していると、色々なコトが起こります。その中でも特によくあること、そして愉快な話をご紹介します。皆さんも参考にしてみて下さい。


尾瀬は四方を山々に囲まれています。


 雑誌やパンフレットの写真などから、尾瀬は平坦な場所だと思われる方が多いのですが、それは大間違いです。尾瀬沼・尾瀬ヶ原どちらに行くとしても、必ず峠を越えなければいけません。尾瀬の山々が周囲を囲って守っているからこそ、尾瀬の湿原は保たれているのです。たまにサンダルハイヒールで来る方がいますが、尾瀬に入るには必ず山道を通るので、おすすめできません。
木道で転ぶ方が非常に多いです。
   木道といえども、段差や傾斜、穴などがあります。まわりの風景に目をとられ、足下がおろそかになると危険です。写真などは必ず立ち止まってから撮りましょう。また雨の日は特に滑りやすくなっているので、ちょっとした傾斜でも注意して歩きましょう。怪我をしてしまうと、最悪の場合病院までヘリコプターで運ばれ、後日多額の請求書まで運ばれてくることになってしまいます。

尾瀬と、他の山々との違いは...
   尾瀬ヶ原と尾瀬沼を取り囲む盆地状の地域は、日光国立公園特別保護地区、特別天然記念物の区域が重なっています。が、平気で花を採ったり湿原に入ったりする方が絶えません。「誰も見ていないから」とか「自分だけならいいだろう」などという考え方は捨てて下さい。皆がそう思ってやってしまったら、近い将来「尾瀬」という美しい場所はなくなってしまうかもしれません。

季節が変われば、尾瀬の顔も変わります。
   尾瀬といえば、春の水芭蕉、夏のニッコウキスゲ、秋の草紅葉が代表的ですが、尾瀬には年間を通じて約700種もの花が咲くといわれています。高山植物は一般的に小さなものが多いですから、足下に咲くけなげな愛らしい花をたくさん見つけてあげて下さいね。

ある日のお話〜福岡のおじいちゃん編
   この方、私がガイドした中で最高齢の86歳。よろよろされていて、見るからにあぶなっかしい足どり...。しかし尾瀬への想いは強く「一度でいいから、冥土の土産に尾瀬に来たかった...!」冥土の土産...?少々心配になる私をよそに、それからのおじいちゃんはすごかった。気力で登り切り、湿原を満喫。そして沼山峠まで無事に帰ってこられました。おじいちゃんも感無量の様子。よかった、よかったとにこにこしていたら、つつっとおじいちゃんが寄ってきて「ありがとう!ありがとう!」と目の前で手をあわされた。拝まれてうろたえている私に「これでラクに死ねますじゃ!」ってちょっと待ってまだ早い!!(笑) おかげで神様の気分も味わえた、何とも楽しい1日だったのでした。
ある日のお話〜大阪のおかあさん編
   尾瀬で怪我をしてしまうと、最悪の場合ヘリで運ばれます。緊急時には迅速なヘリを使うのですが、輸送費が高い!会津若松までおよそ100万円程かかるとも言われています。私たちは「けがに注意して下さい」というご案内の中で輸送費のことにも触れるのですが、それを聞いた大阪のおかあさん「100万〜?! そんなもん払うぐらいならココに埋めといてー!」(え?埋める?!)「ちょ、ちょっと...ご家族もいらっしゃるのに...。」「ええのええの。その方が家族も本望やろ(笑)。」もうまわりのお客さんまで大爆笑! すっかり水芭蕉の肥やしになる覚悟ができているおかあさんでしたが、もちろんケガをすることはなく、この話はいいネタとしてガイドの間で使われることとなったのでした(笑)。
ある日のお話〜伝言ゲーム編
   ガイドの立場上、いろいろな花の名前を皆さんにお伝えします。しかし団体のツアーになると、30人、40人を一人でお連れすることもしばしば...。当然、普通に叫んでいては、後ろのお客様に声が届かないので、思い切り声をはりあげ何度も叫んだり、前後の並びを入れ替えたり、伝言をご協力頂いたりして、皆さんにお伝えしようと頑張っています。が、正確に伝わることはなかなか難しいようです。ある日は「ゴゼン・タチバナ」が「ゴゴ・タチバナ」に変わってました。これはこれでかなり面白かったのですが、それならと、次の日から「ゴゴじゃなくてゴゼンですよー!」と叫ぶことにしました。すると列の途中のおとうさんが伝言に協力して叫んでくれました。「タチバナ・ゴゼンだってよー!」それじゃあ、お姫様です...(笑)